ひと言集

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平成17年9月4日

9月のことば

「暴力行為のある高齢者を精神科へ入院させたことに苦しむスタッフ」

 札幌での講演を終えて帰宅すると、特養の副施設長から電話がありました。
「認知症の男性で不機嫌状態が続き、スタッフや入居者に暴力を振るう。1年余り原因を探り、対応の方法を工夫してきたが限界なので、家族、主治医と相談の結果、入院治療していただくことになったが、病院を紹介してほしい」ということでした。

 たまたま札幌の講演の際、「入居者への暴力が激しい認知症高齢者を、家族と相談して精神科病院へ入院させたが、あれでよかったのかと、今でも悩んでいる」という相談を受けました。

 私はいつも、「諦めない介護」と言うことを言ってきましたが、私たちは万能ではありません。介護に限界があってもよいと思います。
ことに生活の場として位置づけられている施設では、介護困難な場面に出会うことがあると思います。

 スタッフは自分たちの力のなさに苦しみます。ご家族にとっても辛いことです。
でも一番苦しんでいるのは、 認知症高齢者です。周囲の人に助けを求める方法がわからず、暴力として表現してしまうのかもしれません。
高齢者の苦しみを軽減するためにも医療が必要なことがあります。適切な治療によって高齢者が落ち着きを取り戻した例はたくさんあります。

 認知症高齢者のケアに、真剣に取り組んでいるスタッフの皆さん、自分たちに力がないと悲観しないでください。