ひと言集

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平成17年10月19日

10月のことば

 10月も半ばすっかり秋めいてまいりました。初旬はまだ暑い日もありましたが、入所中の認知症高齢者が足の指を第一関節から猫に食いちぎられたという情報がありました。信じられないことが起こりますね。一部開いていた窓から猫が入ったということでしたが、認知症高齢者は、助けを呼ぶことができません。「無用心だから夜は窓を閉めてください」と言うこともできません。認知症高齢者が安全な生活を送ることができるためには、周囲の人の細やかな配慮と適切な支援が大切です。

 事故の中で、「徘徊死」は深刻です。17年8月14日NHKのニュースによると、15年度の「徘徊死」が300人だったのが、16年では566人となり、行方不明の方が813人、捜査願いの出ている方が22,734人ということでした。ご家族の方のご心配な気持ちは察するに余りあります。

 徘徊には理由がありますし、出かけるときにはそれなりのシグナルがあります。しかし、誰にも気づかれずにいつの間にか出かけてしまうことがあります。

 認知症高齢者は、人に道を尋ねることができません。周囲の人が気づいて保護してくれなければ、大事に発展してしまいます。徘徊探知機を利用している方もいます。また、地域ぐるみで徘徊者を守ろうという動きも出ています。しかし都会も地方も認知症高齢者の生活環境は危険だらけです。

 自立性を大切に、自由の尊重などという言葉が介護の場で重要視されていますが、認知症高齢者の特徴を知り、個々の高齢者の行動パターンを知って、見守りの中の自立性、自由の尊重が必要なことを自覚することが何より大切です。

徘徊死の予防
 認知症高齢者はすべての方が徘徊するわけではありません。ごく一部の方です。徘徊の理由も個人によってさまざまです。理由によってはお引止めできることもありますが、毎日ご一緒に出かけることによって落ち着く方もいます。

 1日中何もすることがないよりは、個人に合った仕事や楽しみがあることで、徘徊の回数を少なくすることもできます。いづれにしても常時の見守りや適切なかかわりが必要です。

  • 目覚めている間中激しい徘徊のある高齢者は、保護する意味で施設または認知症疾患病棟への入院を検討されるとよいでしょう。
  • 徘徊の時間が限定されている方には、その時間帯に見守り者(ヘルパー、家族)が付く。
  • 夜間の徘徊は、意識の変動が原因の場合もあります。寝とぼけたような状態であれば、医療につなげる必要があります。朝と勘違いして出かけようとする場合は、玄関に「締め切り」と大きく書いた紙を貼ります。文字は読めますので、「ここからは出られない」と理解できる人もいます。その他鍵の工夫などをして、家族が気づかない間に出かけないような工夫が必要です。夜間は、「真夜中の何時ですよ」と現実を知らせてください。
  • 徘徊はいつから始まるかわかりません。第三者に見つけてもらうために、連絡先を衣服に附けるようにします。