ひと言集

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平成18年4月13日

4月のことば

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「いい足だね」

 今年の花の季節は天気に恵まれました。初めて桜の花の下に立ったとき、「ありがとう」という思いがこみ上げてきました。何時も美しい花に感動してきましたが、今年は何故か感謝の気持ちが溢れました。時間の許す限り花を愛でに桜並木を歩きました。

 4月3日は月曜日のためか、人出はまばらでした。イヤホーンを耳に音楽を聞きながら花の下を足早に歩いていました。ベンチに座っている高齢な女性の前を通り過ぎたとき、何か呼び止められた感じがして、イヤホーンを外し振り返ると、「奥さんいい足だね、背筋を伸ばして羨ましいよ」と声をかけられました。「いい足?」私の中の「いい足、理想的な足」というものはありますし、自分の足が理想的な足とは程遠いことを自覚しているので以外でした。しかし、周囲を見渡して女性のことばの意味が分りました。女性の脇にシルバーカーがあったからです。「足がご不自由なんですか」「ああ、もうだめだよ、終わりだね」一瞬返事に困りました。「まあお辛いですね。お互い年を重ねると故障が多くなりますね」「奥さんはまだ若いからいいですよ」「私も間もなく80ですよ」「私は90過ぎだよ」「まあそれは、それは、ご無理をなさいませんように、どうぞお大事に」と言って別れました。

 ちょっと話がそれますが、「どうしてそんなに早く歩くの、もう少しゆっくり歩いてよ」と友人から苦情が出るほど、私の歩き方は早い。早足には理由があるのです。身長145センチの私は、当然足も短い。先輩や友人と歩くときは、遅れまいと必死に歩いていました。先輩には、「チョコチョコ歩かないで」「あなた、歩いてないで走っているの?」などと言われたこともありました。そこで日常的に足の長い人に遅れない歩き方を工夫しているうちに、ゆっくり歩けなくなってしまいました。それに、背を少しでも高く見せようと、背筋を伸ばすということも習慣になっていました。「颯爽と歩いている」とよく言われますが、このような歴史があったのです。

 そんな私が、花見の後坐骨神経痛が始まり、目下リハビリテーションに精を出しております。障害や痛みと共に生活している高齢者の気持ちにまた一歩近づいた感じでおります。