ひと言集

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平成18年5月16日

5月のことば

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「素敵なスタッフの話し」

 日本中の人々が、連休を楽しんだように思いがちですが、在宅・施設で介護に携わっている方々には関係ないことですね。しかし、あふれるばかりの新緑、爽やかな風は介護疲れの心身のリセットに役立っていることと思います。

 4月末に大阪市にある特別養護老人ホーム「S苑」に講演に参りました。私に講演を依頼した理由を看護部長が話してくれました。昨年の夏、私の講演会に参加したスタッフの著しい変化に驚き、スタッフ全員に聞かせたいということでした。変化したスタッフのEさんも同席して話してくれました。

 入所した認知症の女性Sさんは、目覚めている間中度々ナースコールを押しました。その都度訪問していましたが、何を訴えたいのか分からないまま、スタッフ一同困っていました。講演会から戻ったEさんは、Sさんが入所したときのオリエンテーションを思い出しました。「Sさん、用事があったら、このナースコールを押して下さいね」原因はこの情報の与え方にあるのではないかと思い、「用事のあるときは、呼び鈴を押してください」と紙に書き、Sさんの目に付く場所に貼りました。Eさんはじめスタッフ一同は、Sさんの行動を見守りました。Sさんは呼び鈴を押さなくなりました。

 スタッフが誘う散歩や行事にも参加するようになりました。帰宅欲求があったので、Sさんが入所前まで暮らしていた場所へ連れていったところ、昔の思い出話をいきいきとした表情で話したそうです。

 入所当初、重度の認知症のように観察されたSさんは、スタッフや他の入所者ともなじみの関係ができて、Sさんなりに安住できるようになったそうです。

「それだけではないのよ」とそばから看護部長が付け加えました。「浴室で便失禁した利用者がいても、苦にならないようすで片付ける。ゴミ箱の裏まで他のスタッと協力して拭くなど、講演会に参加する前との変わりようには驚いています」という。

「認知症のお年寄りは自分で環境を整えることができないのだから、ケアする側が環境への配慮をすることの大切さに気づいてはじめました」とEさんが笑顔で話してくれました。Eさんは20歳の爽やかな女性でした。 

 素敵なスタッフに出会う度に私は幸せ一杯な気分になります。看護部長さん、Eさんありがとうございました。