ひと言集

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平成18年9月13日

9月のことば

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「私もやっています認知症の予防」

 認知症高齢者のケアや予防について話す機会の多い私が、予防に無関心というわけには行きません。私が日頃心がけていることをお話しいたします。

 忙しく働いていた頃は、「定年になったら、やりたいこと」を自分の部屋の壁一面に書いて、楽しみにしていましたが、本当の定年はなかなかやってきませんでした。66歳でフルタイムの仕事に終止符をつけ、フォークダンスを、その後友人の勧めでスクエアダンスをはじめました。70歳のときです。(自分の年齢に対する自覚は全くありませんでした)スクエアダンスをはじめた動機は、運動嫌い、散歩する時間がないことによる筋力低下の予防、かなり高齢になっても、体力に合わせて続けることができそうだという理由でした。

 はじめてから気づいたことは、筋力低下の予防にとどまらないことです。8人のグループで、コーラー(音頭とり)のコールを聞いて理解(認知)して動く、次々に押し寄せるコール。習得した動作(記憶)を瞬時に思い出して(想起)動く、まさに「脳の活性化」そのものです。また新しい友人が一杯できました。

 時間が許せば派手な衣装で、何処かで行われているパーティに出かけます。考えても見なかった非日常的な時間を過ごしています。思いがけない人に出会ったり、新しい知り合いが増えたりします。仕事以外の場では、引っ込み思案な私でしたが、少しずつ変化していくようです。

 高齢期は、挑戦期でもあると思います。身体の老化への挑戦、精神機能の低下への挑戦です。年だからということよりも、自分の体力にあったこと、楽しめることを長く続けることだと思います。ダンスの他に、日課として行っていることは、朝晩のストレッチ、食料品など買い物をするときに、買ったものを暗算する習慣があります。予算よりも.5~10%前後の誤差はよしと決めています。籠に入れたものを余分だと思って戻したりして、混乱することもしばしばありますが・・・ 家計簿を付ける、日記を書く、料理番組で見たり、友人から教えてもらった料理を作ります。料理は以前から好きでした。仕事で疲れても、料理をすることでストレスが消えていくのを感じています。また、生きることは食べること、と思っていますので、食へのこだわりは強いほうですね。

 認知症の予防には、規則正しいリズムのある生活、バランスのよい食事の摂取、運動、身体の病気や怪我などによる寝たきりの予防、などなどたくさんあります。大切なことは、何時までもその人なりの役割があること、社会的なかかわりを持つこと、他者との交流があることなどが、脳の機能を刺激することにつながります。1人でできることもたくさんありますが、グループ活動が優れています。

 若い頃には考えても見なかったことですが、年を重ねるに従い、健康で長生きをしたいと思うのは、高齢者共通の課題だと思います。寝たきりになって下の世話になりたくないと思う女性たちが、「ぽっくり寺」参りをした話はよく耳にしました。ここ10数年は、「ぼけ封じ」(認知症)の神社?などを目にすることも多くなっています。親しい人や友人と計画を立て、楽しんでお参りにでかける。そのことが既に予防につながっていると思います。

 情報社会の現代は、寝たきりや認知症予防に関する情報を見たり聞いたりする機会が多くなっています。なかでも「脳の活性化」という文字が目に付きます。

 誰でも高齢になると、人の名前や固有名詞が出てきにくくなります。脳の神経細胞は生まれたときに既に出来上がっていて、年齢を重ねると共にその数が減っていきます。20歳の人が80歳になった時は生理的に、10%~20%脳の重さが軽くなります。しかし残された脳神経細胞はまだまだたくさんあります。

 「廃用症候群」という言葉があります。高齢者が何らかの病気になると、それを契機に活動性が低下します。その結果、筋肉や骨萎縮など各種の身体機能低下を招きますが、それだけではありません。精神機能低下の原因にもなります。身体疾患の予防が第一ですが、もし病気になっても、身体面のリハビリテーションと共に、「脳の活性化」を忘れないことです。

 「老い」は公平です。誰の上にもやってきます。予防に関する情報はあふれています。予防への関心、実行することに早すぎるということはないと思っています。

 今月は自分のことばかり話してご免なさい。残暑の厳しい中にも、時折秋の気配を感じます。夏の疲れで体調を崩しませんように、お気をつけてくださいませ。