ひと言集

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平成19年5月21日

5月のことば

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「スープ」

 趣味活動の場で「お元気ね、あなたが目標よ」とよく言われます。何処のグループでも最高齢の私です。「あなたが目標よ」と言われると、嬉しくなって頑張ろうと思ってしまいます。数年前までは、午前、午後目一杯仕事をしても、夜の趣味活動の場面では元気が出て終わってから、すがすがしい気分になって「私は心身ともに若い」と自負していました。

 以前から疲れがたまると歯が痛む癖がありましたが、1か月前にひどい歯痛が起こり治療して回復しました。歯のことはすっかり忘れていたところ、急に熱が出て歯肉が腫れ、また病院通いを始めました。

 私は食へのこだわりが強いほうです。内科医には少し体重を減らすように言われていますが。ところで、歯痛のときは痛くないほうの歯で噛んでも響きます。ことに生野菜が食べられません。市販の「コツプ一杯で1日の野菜が摂れます」というジュースを買ってきましたが、寒気がするので飲む気になれませんでした。

 私はスープが好きでよく作ります。旬の野菜で薄味に作り、りんご酢、レモンなどの柑橘類の絞り汁、バルサミコなどを入れて頂いていました。そこで、スープの中の野菜をミキサーにかけ頂きました。「なにこれ、美味しくない」二度と口にする気になれませんでした。野菜が形のままなら美味しかったのがミキサーにかけたら不味い。「なぜ?」

 このとき、最近テレビに出ていた料理家の辰巳芳子さんを思い出しました。そうだ自己流のスープは止めて、辰巳芳子さんに学ぼうと思い早速本屋で、『あなたのために いのちを支えるスープ』という本を求めてきました。本に書いてある通りに作ったところ「美味しい!なんて美味しいんでしょう」感激でした。 

 辰巳さんは本の書き始めの、スープに託すという中で、つゆもの、スープについて「滋養欠乏の限界状態であれば、一瞬にして総身にしみわたるかに感じられるそうです・・・」「『おつゆー露』いつ、どなたがこの言葉を使いはじめたか知るよしもありませんが、露が降り、ものみな生き返るさまと重ねてあります」と述べています。

 また、辰巳さんご自身がお母様の心づくしのおつゆもので守り育てられたこと、お父様の8年に及ぶ嚥下困難状態の介護がこの本を書くことに結びついたと述べています。

 私の友人が急病で入院したことがあります。出された流動食の不味さ、特にこれがスープかと思ったそうです。病院や施設、家庭で生活している多くのお年寄りに「美味しいね」と思っていただけるようなスープが日常的に提供できるといいですね。

 料理教室に通う時間がなくとも、食に関心を持ち、自分のために家族のために、美味しいスープ作りにこだわることが、お年寄りのケアの場で役立つことになります。