ひと言集

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平成19年9月20日

9月のことば

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「いじめ」

 “いじめ”はどの世代にもあります。ある認知症家族の会の席で、入所者間の“いじめ”が話題になりました。「うちの女房はフロアを変えてもらいましたよ」とご家族が話したので、“いじめ”を受けたのかと思ったら、“いじめる”側だったということです。

 奥さんは明るく話好きな方で、誰からも好かれる方でしたが、同じフロアで暮らしている認知症の方の言動に対し、歯に衣を着せぬ言い方で“いじめ”ともとれる言い方をしていたそうです。度々面会に行くご主人は、申し訳なく思い、重度の認知症の方の暮すフロアに変えてもらったということでした。

 ある男性は、入所している母親の面会に行き、話しているところ、施設のスタッフから「息子さんの言うことは素直に聞くのね」と言われたそうです。スタッフの話の様子から、スタッフの支援に抵抗したり、同じフロアの入所者に母親が“いじめ”をしているようなので、参りました。と話されました。

 “いじめ”は自分より立場の弱い人に対して行われます。認知症になっても、弱い立場の人は誰か見分けることができます。また、認知症になる前と人柄が変わってしまいます。辛辣な言い方をして、人を傷つけているという自覚も失われます。さらに言ったことさえ忘れています。
 入居者(利用者)間のトラブルについての相談はよく受けます。 “いじめ”をする側を説得しても、寸前のことを忘れているので意味がありません。といって放置しておくと危険なことに発展することもあります。

 “いじめ”を受けている方の中には、“いじめ”の意味が分かりません。また反論もできない方がいます。でも、ひどく傷ついています。よく観察していると、身体的に異常がないのに食欲がなくなる,不安な様子で落ち着かない,おどおどしている,引きこもりなどが観察されます。

 スタッフ全員で、日ごろから個々の認知症高齢者が、穏やかに、その人らしく、安住できる場作りを心がけましょう。常に“いじめ”の起こらない環境への配慮(予防)をしていくことが大切です。