ひと言集

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平成20年5月26日

5月のことば

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「後期高齢者医療保険証を手にして」
 
 電車の中で、席を譲られて戸惑っていた頃から、10数年が経過しました。自分の年齢を、正しく自覚できるということは難しいことです。身体状況や精神面、環境などによって、かなり個人差があります。

 定年が老年期の入り口だったように思いますが、あの頃は、「私は老人ではない」と強く否定していました。しばらくして、老人の日に、町内会から「お茶」を頂きました。そのお茶を飲むことができず、冷蔵庫の奥にいつまでも入れて、目に付かないようにしていました。

 老人医療保険証、高齢者特別乗車証、そして今回の後期高齢者医療被保険者証です。法律で決められたこととはいえ、「あなたは老人ですよ」ということを、外部から、これでもか、これでもかと、押し付けられ、否応なしに「老いを自覚」することになります。

 数年前からは、病院のどの科を受診しても、医師から「お年のせいです」と云われてしまうことが多くなりました。

 高齢期は、挑戦の時代だと思っている人も大勢います。定年後も長いこと仕事を続けている人、テレビの報道などでは、100歳になっても仕事をして、いきいきと暮らしている姿が放映されることがあります。旅先やグループ活動の場では、元気な人たち(高齢者)があふれています。

 25年ほど前に、職場で働いているスタッフにアンケートで、「何歳から老人と思いますか」と尋ねたところ、「70歳」と云う回答が一番多かったのを思い出します。予防や医学の発達によって、平均寿命が延びた現在、また個人によって、「何歳から老人?」と感じるのは違います。

 「後期高齢者医療保険者証」のことで、多くの高齢者が、差別感を抱き、戸惑い、怒っています。私も4月に病院受診に行った時、水色の薄い紙(保険証)だけを提出するように言われたとき、「差別感のような侘しさ」を感じました。

 政治の混乱の一つにまでなっている「後期高齢者医療保険」の問題ですが、目先のことだけに振り回されないことが、大切なことは誰もわかっています。医療保険以外のことも含めて、これから先、20年~30年、いやもっと先のことを見据えた政治改革が必要だと思っているのは、私1人ではないと思います。