ひと言集

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平成21年10月27日

10月のことば

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「あなたはなんと呼ばれたい?」

 久しぶりに兄嫁に電話をすると、「私デイサービスに行っているのよ」と弾んだ声が戻ってきた。「友達が一緒に行ってくれと言うので行き始めたけれど、まあ、年寄りばっかりなのよ。ほんと、いやになっちゃうわ」そういう兄嫁は88歳である。

 最近74歳の友人が入院した。見舞いに行くと小声でささやいた、「ねえおかしいのよ、この部屋に入院している人は皆年寄りばかりでしょ、お互いに“お婆さん”と呼び合うのよ。でも私のことをなんと呼んだらよいのか困っているみたいなの」友人は染めたことのない黒髪がふさふさしている。顔立ちもしっかりしていて皺もない。“お婆さん”と呼んでよいのか迷うのも分かる。「それで、なんと呼ばれているの?」「おかあさんと呼ぶのよ、ふ、ふ」

 30歳代に近所の子供に「おばさん」と呼ばれて驚いたことがある。自分では、お姉さんだと思っていた頃である。今は誰からも「お婆さん」と呼ばれないが、もし呼ばれたら驚くに違いない。いや怒るだろう。

 新聞記事に老女と言う文字が載って批判されたことがある。最近は「女性(何歳)」と記載されている。第三者が「老女」とか「お婆さん」と言っても、本人は、お婆さんと思っていない。それどころか自分は若いと思っている。年齢に関しては自覚のない人が多い。相手に話しかけるときは名前に呼びかけるのが差し障りないようだ。

 ある時4歳の孫に「ねえ、シズちゃんは私のなんなの?」と聞かれた。突然のことで困惑してしまった。すると8歳の孫が「シズちゃんはお父さんのお母さんだよ」と妹に説明してくれた。「ふうん?」頭をかしげていたが、ともかく救われた。


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