ひと言集

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平成21年11月19日

11月のことば

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「家族の思い」

 余分なことを言って相手を不愉快にさせてしまったこと、また言葉が足りないために相手に不安を与えてしまったことなどは誰でも経験があると思う。

 入所しているAさんに家族が面会にきたらベッドに横になっていた。日中横になるようなAさんではない。デイルームのAさんがいつも座る椅子に最近入所した人が座っていた。「いつもの椅子に知らない人が座っているので、座る場所がないために寝ているのではないでしょうか」と家族がスタッフに尋ねると「いいえそんなことありません」という言葉が戻ってきた。家族はAさんの状態が悪くなったのではないかと思うと不安だと訴えた。

 Aさんはコミュニケーションがとりにくい方だが、いつもにこやかな表情でゆっくり廊下をあるいていた。時折スタッフが誘導してAさんのお気に入りの椅子に座っていただくようにしていた。

 家族が帰ってからAさんを訪問するといつもの椅子に座ってにこやかにしていた。スタッフに「Aさんがベッドで休んでいたので家族が心配していた」と話すと、「Aさんは朝からずーと歩いているので、昼食後30分ほどベッドに休んでいただくようにしています。いつものことです」という。

 面会に来た家族には1日の生活の流れが見えない。その場の様子で安心したり不安になったりするのは当然なことである。「いえそんなことありません」では納得しないばかりか不安を増強させる原因になる。

 ある家族会の席に参加した家族が「家で介護していたときは地獄でした。でも施設入所させてからも地獄です」といった言葉を思い出す。施設のスタッフは入居者への良いケアを継続するのは当然なことであるが、家族の思いに添い安心を与えるようなかかわりが大切である。それには家族との好ましいいコミュニケーションが必要である。