ひと言集

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平成22年3月23日

3月のことば

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「セグメント表を活用してみませんか」

 以前も書きましたが「認知症の母を在宅で介護していた時は地獄だったが、入所させてからも地獄ですよ」と話した家族がいました。在宅の時は大変でも生活のすべてが見えます。ところが入所して生活が施設に移ると、ほっとした反面今頃は何をしているかしら、他の入居者に迷惑をかけているのではないか、眠れないで一晩中歩き回っているのではないかなど不安になります。面会にきたときは生活の一部しか見えません。家族の顔も見分けがつかなくなってきます。スタッフに日常の様子を聞いてもいまひとつ実感がわきません。

 重度の若年認知症の女性で、目覚めている間中激しく廊下を歩き回る人がいました。攻撃的で時折他者とのトラブルに発展することもありました。その他幾つかの行動・心理症状があったので、スタッフは常に見守っていました。

 多少でも落ち着いた時間が持てればと思い、薬の服用を家族に相談しましたが、家族は薬を飲むと病状が進むという理由で拒否しました。家族の面会は短時間ですし、生活の中の「点」であって生活すべてが把握できません。

 そこで、「セグメント表(別紙・PDFを開く)」に24時間の様子をカラーペンでぬりつぶして家族の面会時に提示しました。家族は母親の生活の様子がよく理解できたようでした。医師の勧めで多少落ち着く薬を受け入れ、様子をみることを納得されました。

 認知症の人に行動・心理症状がおきたら、次のことをアセスメントすることを勧めています。

①何時から始まったか、頻度
②時間帯(朝か、昼か、夕暮れか、夜か)
③きっかけ
④その行動は高齢者に危険か
⑤一緒に暮らしている人のストレスの程度
⑥介護者の感情

 この中の②と③がもっとも重要です。時間帯やきっかけがわかることで、行動・心理症状の原因がわかり、改善につなげることができるからです。

 「セグメント表」にこの時間帯ときっかけが「記号」または「カラーペン」で記録されていれば一目瞭然ですからチームでケアするときにも役に立ちます。また、入居者の受診時、行動・心理症状をはじめ生活全般の様子を医師に説明する際にもこの「セグメント表」が大変役に立ちます。

 既に使用している施設もあると思いますが、入居当初や激しい行動・心理症状のある人にぜひ使用してみてください。