ひと言集

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平成24年4月19日

4月のことば

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「高齢者の尊厳と安全へのケア」

 介護保険の変更で在宅介護を推進することになった。最後まで住み慣れた自宅で暮らすことは素晴らしいことである。しかし支える側は大変である。限られた人員、限られた時間でその人にもっとも適したケアを提供することは難しい。

 訪問介護を行っているケアスタッフとの話し合いの場で受け入れの悪い高齢者・家族の存在がしばしば話題になります。

 高齢になり何らかの理由で介護を受けないと生活できないことを自覚して、介護に協力してくださる方もいるが、「人の世話にならなくとも自分でできる」と思っている方もいる。こうした人の中にはデイサービスの利用を極端に嫌い自宅で暮らしている方がいる。一人暮らし、高齢者の2人暮らしなどで、誰の言うことも聞き入れない場合深刻である。今回主に次の3点について話し合った。

Q1.
訪問すると「用はない、帰ってくれ」ときつく言われ介入できないで帰ることがある。

Q2.
何か月もの間入浴をしていない男性にいろいろと工夫して入浴を勧めるが「昨日入った」「後で入る」などと言われ入浴にもっていくことが難しい。何回も勧めると怒るので諦めてしまう。清拭もさせてくれない。

Q3.
女性宅を訪問すると室内は異様な臭いが強く、ことに衣服の尿臭が強い。衣服を替えようと勧めても頑として応じてくれない。入浴もしていない。

A1.
「奥さんの友達(娘さんと同級生)で近所まで来たのでご挨拶に伺いました」とまず挨拶をし、体調のことを伺ったりして「お困りのことがありましたらお手伝いさせていただきますわ」と言う。「用はない」と言われたら、当日は失礼して後日伺い、同じような対応を根気よく続ける。高齢者が機嫌のよいときに昔話などを伺うようにして徐々になじみの関係づくりをして、ケアに繋げる。

A2.
女性にかなり関心のある方というので「水虫ができないように足を洗いましょう」と誘って、受け入れられない時は、「ご一緒に入りましょうね」と誘うと抵抗されないと思う。衣服のまま一緒に入り背中を流す。

A3.
保健所から「今年は皮膚病が流行っている」「綺麗にしておかないと婦人病になる」という知らせがありましたよ。と話しケアを促す。

  • 訪問してなじみの関係ができていないのにケアに入ろうとしても難しい。時間をかけて良い関係づくりをすることが優先である。対応の方法は一様でないので、その人に合った方法を探し対応してみるのがよい。そのためにはスタッフ側の柔軟で臨機応変な姿勢が大切である。ここにあげた例をヒントにしてほしい。
  • 抵抗する高齢者のケアが成功したときは「成功事例」失敗したときは「失敗事例」として、その内容を記録して残し、カンファレンスの場で検討し改善の方向を見つける。失敗事例が改善されたら、成功事例の方へ移す。こうした繰り返しがチームのやる気、ケアの創造、改善につながると思う。そのことが、ケアスタッフの誰もが願っている「高齢者の尊厳と安全へのケア」につながるのである。