ひと言集

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平成26年4月16日

4月のことば

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「さよならのあとに」

 片手に外出の荷物、もう一方の手にごみの入った袋をさげてトントントンと調子よく階段を降りてきた。あと一段というところで階段の下にごみが落ちているのに気づき、ごみの袋を置かずに拾おうとしたら、くるくるくると前のめりに丸まるように階段下に落ちた。「ボキ!」と音がして足の骨が折れた。自宅にいた夫に携帯で救いを求めた。
通りかかった1階の人が「そんなところに居たら寒いから私の家にいらっしゃいよ」と言ってくれたが足の激しい痛みで動けない。その方が椅子を持ってきてくれたが掛けることもできない。急なことで夫も混乱気味、近所の方の助けを借りてタクシーで病院に行くことができた。

 友人のAさんは60歳の後半だが若々しく元気で何事にも積極的な人である。話を聞いて驚き見舞いに行くと「呆れたでしょう」と本人は笑い「両足骨折なんて馬鹿はいないでしょう」と医師に尋ねたら「たまにいますよ」と言われたという。
帰り際に隣のベッドの女性に挨拶した。大学生というが両足に包帯を巻いていた。「あなたも両足骨折なさったの?」と尋ねると「はい」と笑顔で応え「辛いリハビリをしています」という。
 整形外科の病棟だから骨折の方が多いのは当たり前でしょうが「お、お、怖い」と病院を後にした。

 数日後80歳を過ぎた友人のBさんと温泉に泊まりがけで出かけた。久しぶりにお会いしたのでおしゃべりが尽きなかったが、話題の半分が健康に関することになってしまった。その中でも転んだこと、ひざが痛むこと、腰が痛いことなどなどである。結局ゆっくり温泉に入ったから今回はどこへも寄らず帰りましょうか。ということで美術館にも寄らず帰途に就いた。別れ際に「さよなら、お互いに転ばないようにしましょうね」と声を掛け合った。

 そういえば最近同年輩の友人と別れるとき「さよなら、お互いに転ばないようにしましょうね」という挨拶が多くなった。