ひと言集

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平成26年9月17日

9月のことば

2014年9月の画像

「認知症カフェ」

 長寿を願い喜ぶ気持ちはいつの時代も変わらないと思う。健康で百歳までなどともいわれているが、家族や自分の意に反して病に倒れる人が多くなってくるのも現実である。中でも認知症の問題は深刻である。

 認知症の原因疾患にもよるが、あるときを境に突然起こるというものではない。家族も本人も気づかないうちに始まり徐々に進行していく。年のせいかしらと思う人もいるが、中には以前の自分と何かが違うと不安を抱く人もいる。認知症とは限らないが病気は予防と早期発見が重要なことは周知のとおりである。しかし、一人暮らしや高齢者夫婦で暮らしている場合は、以前とどこかが違うと思ってもはっきりとした良い日もあるので受診に繋がらないことが多い。中には徘徊やもの盗られ妄想など深刻な状態になってはじめて病院を訪ねる人もいる。

 最近認知症の人の徘徊が大きな問題となっている。認知症らしいご老人が1人で歩いているときは声をかけて、道に迷っているようだったら、近くの交番に連れて行くようにするのが適切と思うがなかなか難しい。
 認知症の人の中には明らかに季節に合わない衣服を着ている人、外出にそぐわない履物、あるいは裸足で歩いている。何かを探しているような仕草が伺える。など不自然な行動をとる人もいるが、身なりも履物もきちんとしていて一見分からない人の方が多い。また、声をかけても認知症の人は「取り繕う」ことができるので徘徊と気づくことが難しいことがある。
 過疎地はそれなりの問題があると思うが、大勢の見知らぬ人が足早に動き回る都会もまた問題である。

 1年ほど前から私の暮らす区内のある町内会に、認知症の方とその家族が集う場所として「○○カフェ」ができた。この町内会は4年前から「おしゃべりサロン」として月1回地域の人が自由に集まり、おしゃべりや講話やお正月飾りつくりなどを行っていたことから現在の「○○カフェ」へとつながった。折しも全国で「認知症カフェ」が広がり始めたころであった。物忘れ外来の医師の勧めで、福祉活動の根付いたこの地区で認知症カフェを開設するのがふさわしいと助言され、長いことボランティア活動に力を注いでいた町内会の指導者を中心に「認知症カフェ」が開設された。
 運営は民生委員、地域のボランティア、地域包括支援センターのスタッフなどが中心になって行っているが、軽度認知症の方も世話係としてお茶出しなどを行っている。
 1回に50人以上の参加があり町内会館が満杯になってしまう。内容としてはお茶とおしゃべり、講話やストレッチの指導、音楽演奏、コーラスなどが約30分行われる。毎回参加者の意見や質問があり活き活きとした時間が過ぎる。
認知症の個別介護相談も同時に行なわれている。

 最も効果があったと思われるのは、地域で暮らしている人の認知症の早期発見とその後の医療・福祉活用へ繋げるための支援である。一般参加者の間に認知症への理解が高まり地域で支え合う「お互いさま」という時代が目前に来ていると思った。