ひと言集

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平成27年1月5日

1月のことば

2015年1月の画像

「笑う」

 新春のお喜びを申し上げます

 古事ことわざに「笑う門には福来る」というのがありますが、高齢になって一人暮らしもしくは二人暮らしになったとき「笑う」という機会は少なくなります。施設で暮らしている高齢者の中にも「笑う」ことをどこかに置いてきてしまったような方もいます。

 過日仲良しグループ6人でパーティにロマンスカーで出かけました。平均年齢80歳?私が平均年齢を引き上げている張本人ですが・・・
 車中で戴くおむすびをまとめて買うことになりました「私シャケ」「私シラス入り」と5人が一斉に言い、買う人を困惑させましたが、ともかく時間通りロマンスカーに乗ることができました。昼頃の時間のせいか車内は空いていました。目的地まで40分位なので早くおむすびを戴かないと、と思っていると「これどうぞ」とキャンディが3個ずつ配られました。それを合図にそれぞれ持参してきたおやつが6人の間を行き交いました。と突然「“ちょっと返して”キャンディを」「えー?」と怪訝な空気が流れるのを感じました。「足りなくなったのよ、1個ずつ返して」思わずみんなで笑ってしまいました。
 それぞれから戴いたおやつを仕舞いながら「“ちょっと返して”と言うなら今のうちよ」とまた笑う。まとめて買ってもらった特急券代は金額が同じなので問題はなかったが、おむすび代は物によって値段が違うのでさまざまな金額の声が飛び交いました。
一段落したとき「お金払い過ぎたから、“ちょっと返して”と言わないでしょうね」と・・・「ああ、今年の流行語は“ちょっと返してね”ね」とまたまた笑ってしまいました。
 年老いた?ご主人を家に残してきたことなどみんな忘れて「箸が転げてもおかしい」時代に戻って笑いました。

 「人は笑うとおかしくなり、泣くと悲しくなる」といった人がいましたが、ある時、Bさん(79歳・女性)が介護相談に来ました。認知症の母親(101歳)と80代の夫と病弱な妹と暮らしていて、一手に介護を引きうけているが「ほとほと疲れました」と話しました。時間をかけて相談を受けた後「笑うこと」に話がいきました。「笑う?久しく笑っていません。腹立たしく情けないと思うことばかりです」という言葉が戻ってきました。

 1か月後再度Bさんが相談に見えた時、前回の暗い表情から和らいだ表情に変っていました。「私、なんだかバカバカしくなって、笑うことにしました」と。
 食事のあと片付けをしながら、「あ、はは」と大声で笑ったら、夫と母親それに妹まで出てきて「どうしたの?」と驚いていましたが「何だか知らないけどおかしいのよ」と笑い続けたら、皆もつられて笑い始めたということでした。それから他愛もないことでもよく笑うようにしてきたら、今までの暗く沈んだ家の中の空気が変わってきたみたいです。と話してくれました。