ひと言集

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平成27年2月19日

2月のことば

2015年2月の画像

「病院に看護はない」

 ある家族会で一人の夫人が語った「アルツハイマー病の主人を10年間看てきましたが、主人が脱腸の手術で大きな病院に入院して手術は無事に済んで退院できましたが、病院の看護師さんは看護をしてくれないんですね。驚きました」と次のような話をした。

 ご主人の認知症はかなり進んでいて、夫人が誰であるかも分からない状態だが比較的穏やかなので在宅介護を続けてきた。とはいっても2人とも高齢なので夫人の体力が限界になってしまうことが度々あった。地域の小規模多機能を利用して何とか介護を続けてきた。最近は大半を小規模多機能で過ごす日が多くなった。親身になって介護してくれるスタッフをご夫婦は信頼している。

 手術後の経過は良かった。あるときご主人が看護師に「トイレに行きたい」と訴えたら「おむつをしているからそこにしてください」と言って部屋から出て行った。たまたま面会に来ていた小規模多機能の介護スタッフが「私がお連れいたしましょう」と、手引き歩行でトイレに誘導してくれた。
 入院前のご主人は稀に失敗をすることもあったが、おむつは当てずトイレ誘導を行っていた。
 「病院に主人を一人でおいても大丈夫か心配で、朝から夜まで毎日付き添って歯磨きや食事など身の回りの世話をいたしました。小規模多機能のスタッフも毎日面会に来てくれて助かりましたが、病院というところは病気の治療はしてくれますが、病人の世話をしてくれるところではないのだと始めて知りましたわ」と、すると、他のご家族からも、うちも入院を契機におむつになってしまった。何とか歩けていたのに車椅子になってしまった。治療が必要な重大な病気なら仕方ないけれどなるべく入院させたくないですね。という話になった。

 全ての看護師が同じとは思いたくないが、どれほど忙しくとも看護の基本である個々の患者の欲求を満たすことを忘れてほしくない。
 入院している患者は治療が最優先であるかもしれないが、同時に生きて生活している人であることを忘れてほしくない。

 どこの高齢者施設もかなり忙しいが「トイレに行きたい」と訴える人に「おむつの中にしなさい」というスタッフはいない。トイレに誘導して便器に移し排泄を促し、おむつが汚れていれば交換する。毎食後全員に口腔ケア(嚥下障害のある人には特殊な方法で)を行うなど基本的なケアは個別に行われている。