ひと言集

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平成27年3月17日

3月のことば

2015年3月の画像

「もの忘れ」

 周囲の人に「あなた還暦ね」「あら、もう喜寿よね」などと言われる度に「人を老人扱いしないでよ」と心の中で反発してきた。長い間自分の老いを認めることができなかったが、80歳後半になって自分も年かなと思うことが度々あって、ようやく老いの一部を認めるようになった。
 
 仕事柄「認知症の予防について」尋ねられることがよくある。最近情報過多気味であるが、一般的なことを伝えるようにしている。人に伝えるからには自分も実行しなければと思い、良いといわれていることを長年実行している。
その中の一つに記録がある。仕事で行く先々によってノートを別にしているので小型ノートは何冊にも及ぶ。私生活でも毎日5冊に記録をする。出かける前はメモに家を出る時間や到着時間などを前日に書いておく、買い物もメモして見ながら買うなどである。

 記録の一つに食事記録がある。3食こまごまと記録しバランスよく摂取しているか、総カロリーは適切かなどを確認している。ところが最近めっきりと食べた物の名前が思い出せず記録に手間どうことが多くなった。
たとえば残したお刺身をもったいないと思い大根と煮た。そのお刺身の名前が思い出せない。「お刺身といえばこれ、日本人の多くが大好き、赤い、私はことに赤みが好き、あのお店で戴いたのが一番おいしかった」などと連想ゲームをしても思い出せない。しばらくして「ああ、マグロだ」という感じだ。グリーンのこのボールなんといったかしら?フィリピン産、食べごろはへたの回りに隙間ができる、中は薄緑色、わさび醤油で戴くのが美味しい、ちらしずしに入れてもよい、1個185円、一度に1個は食べ切れない。ああ、なんだっけ?思い出せないので諦めてベッドに入った。何とかして思い出そうとすると寝つけない「あ、そうだアボガドだ」明日の朝になると忘れるから書いておこう。

 食べ物以外でも忘れて思い出せない場面がしばし起こる。友人との会話に「あれ、ほらあれよ、分かるでしょう」などという言葉が飛び出て「あれ、ほら」では分からないわよね」などと大笑いする場面が増えている。「年寄りじみてはだめよ、なるべく若々しくおしゃれをしよう」が合言葉だが、これでは老いを受け入れないわけにはいかないだろう。参りました。