ひと言集

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平成27年6月24日

6月のことば

2015年6月の画像

「変な人がいる」

 50歳頃から認知症が始まった妹は徐々に進行し在宅ケアが困難になった。62歳の時に施設に入所のため息子と私で連れて行った。施設のスタッフが「お幾つですか」と尋ねたら「18よ」とほほ笑んだ「そちらに居る方はどなた?」と指をさした先に息子がいた。「その人に聞いて」と妹は私の方を見た。

 65歳のAさん(男性)は認知症と診断されて6年目になる。常に不安な様子で落ち着かないが、優しい妻B子さんの支援を受けながら過ごしている。ある日「変な男がいる?」とB子さんに訴えた。「あれ、息子の○○ちゃんよ」とB子さんが伝えたが納得しなかった。B子さんは「ついにこの日が来たか」と思ったが、息子は大きなショックを受けた

 日々成長する息子、学業が忙しく父親との交流も少なくなっていた。B子さんは息子と話し合い、父親と会う度に「お父さんの息子の○○だよ」と言ったが納得しなかった。息子は父親の弟に似ていたので、弟の役を演じ、折に触れて「兄さん」と呼んで話しかけた。Aさんとの関係は良くなり、息子の姿を見て「変な男がいる」と言わなくなった。

 B子さんは、子どもを介護に煩わせたくないと思い一人で抱え込んでいた。息子も学業、アルバイトと忙しい日々を送っていたので母親任せだった。

 最近は小学校や中学校などで認知症のことについて講義するようになった。
今回の介護保険改定1.認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進という項目の中に、「学校教育等における認知症の人を含む高齢者への理解の推進」とあり、次のようなことが挙げられている。

・学校で認知症の人を含む高齢者への理解を深めるような教育を推進
・小・中学校で認知症サポーター養成講座を開催
・大学等で学生がボランティアとして認知症高齢者等と関わる取組を推進

 幼いころから認知症について学び理解を深め認知症の人やその家族を理解し支え合う社会が来ることを望みたい。