ひと言集

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平成27年11月12日

11月のことば

2015年11月の画像

「何処も受けてくれない?」

 若年アルツハイマー型認知症のAさん(60歳・男性)が暴力を振るうという理由で今まで利用していたデイサービスを断られた。相談者の妻の話しでは、自宅では日によって不機嫌になることもあるが、暴力を振るうことはないという。

 担当のケアマネージャーに相談すると、今の状態では受け入れてくれるデイサービスは何処にもないといい、精神科入院を勧められたという相談だった。「精神科に入院だなんて・・・どうしたらよいのか困っています」という。担当医に相談したところ、落ち着く薬が処方されたというが、自宅ではさほど困るようなことがないので飲ませていないという。

 Aさんは体力があるので「暴力」に対してデイのスタッフが恐れているのは理解できるが、なぜ暴力を振るうのか理由があるはずである。

 自宅では妻と2人で過ごしている。妻は必要以上の干渉はしていないようである。不機嫌になるのは決まって夕暮れ時であるが、そっと見守っているといつの間にか機嫌が直っているという。

 施設で過ごしているときの様子が分からないが、施設側はスタッフの思い通りになる利用者以外は排除しているのではないかと疑ってしまう。客観的によく観察するとAさんが暴力を振るう原因が見えてくるに違いない。それぞれ状態の異なる複数の利用者の中で、混乱期にあるAさんの居場所、対応方法が見いだせると思う。

 ケアマネも自宅と施設でのAさんの状態の違いに注目して施設側にアドバイスしてほしいと思う。「何処のデイでも受け入れてくれない。精神科入院ね」というのはあまりにも酷であると思う。一般のご家族にとって精神科病院への入院はあまりにも敷居が高すぎる。ご家族の気持ちを考えて対応をしてほしい。

 自宅では暴力は振るわないが、夕暮れになると不機嫌になるというので、医師から処方された薬を不機嫌になる2時間位前に飲ませることを勧めてみた。また、精神科病院でなく、認知症治療専門病院があることを話し、入院が必要な場合はそちらに入ることができるし、重度の認知症のデイサービスも行っているので相談するように伝えた。家族も現在の主治医は専門外の方なので、認知症治療病院を受診しこれからの方針を決めることになった。