ひと言集

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平成27年12月22日

12月のことば

2015年12月の画像

「妖精と暮らす」

 認知症の人を介護する家族の会は、参加した家族が介護の大変さを語り合い少しでも介護負担を軽くし、前向きになれる場であってほしいと思っている。

 一番目に話した男性は、今回が始めての参加である。一人暮らしをしていた母親が軽度の認知症になったので同居を始めて間もないという。「おふくろは働き者で、家の中でいろいろと仕事をしようとするが満足なことが出来ない、外は暗い早朝に雨戸を開けたりするので、嫁とバチバチやりあっていますよ」嫁姑の間柄だからいいのかなと見ていると話した。「嫁は趣味が多く毎日のように出かけているので、ストレスはさほどたまらないと思う」と付け加えた。

 他の家族の意見「お母さんにしてみれば、長く暮らしているご自分の家ですし、今までの習慣もあるでしょうから、当たり前のことをしていると思っているのでしょうね」「それもそうですな」と提案した男性は少し納得?したような曖昧な返事をした。

 話し合いが進んでいった。2年くらい前から参加している女性は、今まで見られなかった優しい笑顔で話した。「うちの母も相変わらず家の中でいろいろな物を片付けています。一番困るのは、ご飯やおかずを小さな器に入れてあちらこちらにしまい込むものですから、とんでもないところからカビの生えたものが出てきたりするので、何も置けないし、すべて片付けるので気が抜けない毎日です。二人の息子たちは、おばあちゃんのことを“座敷童の仕業だ”と言っていましたが、最近その息子たちが“うちには妖精がいる。妖精の仕業さ”と言うようになったら、ふっと気が楽になった。座敷童でなく妖精ととらえる息子たち。最近はまるで妖精と遊んでいるようで、家の中が明るくなりました」と報告した。

 この女性は、福祉関係の仕事を長いことしてきた。家族会に参加した当初は「他人には優しくできたのに、母親の介護ではイライラして意地悪なことを言ったりして情けない」と嘆いていた方である。

 認知症の人を変えることはできないが、介護している家族が変わることができれば認知症の人も変わる。しかし難しい問題である。ことに一人で介護している場合は、いろいろなサービスを利用しても在宅介護の負担は計り知れないものである。

座敷童
主に岩手県に伝えられる精霊的な存在。蔵の中に住む神といわれ家人に悪戯をする。座敷童を見た者は幸運をもたらす。福の神といわれている。

妖精
西洋の伝説の物語などで見られる自然物の精霊。人間の姿をした精霊で、主に羽の生えたファンタジー系の少女。妖精の画像などでは可愛い・超美人。