ひと言集

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平成28年6月6日

6月のことば

2016年6月の画像

「変わる」

 晴れた日の夜明けが大好きで4時頃から起きて何かしたくなる性分ですが、その日はなんとなく全身がだるく何事も億劫に感じました。しかし、その日は若年認知症の方とその家族、サポーターたちと新緑の公園に出かける予定でした。集合場所に行きバスで公園に向かいました。このだるさを引きずったまま過ごすのは嫌だなと思っていたところ、ある家族から相談を持ちかけられました。その瞬間体の中に一本の筋金が入ったように感じられ先程までのだるい自分と違う自分になっていました。
 
 2か月ほど前の家族会の時、久しぶりにお会いしたA氏(男性)の表情が著しく変化しているのに気づき、「少しふっくらされて、いい表情をされていますね」と声をかけたら「女房の状態は進みましたが落ち着いています」と話し始めました。デイサービスに週2回行き介護保険のヘルパーに入ってもらっているが、不足の分は有料のヘルパーに来てもらっているということだった。

 A氏は一人で認知症の妻の介護を数年行ってきました。穏やかで可愛い妻の症状が徐々に進みA氏の思い通りにいかないことが多くなり、妻にあたったり、あるときは夜中に外に出て大声で叫んだりとAさんの生活は荒れていきました。家族会に参加したときも憔悴しきって険しい表情をしていました。家族会でデイサービスを勧めても、「静かな環境で妻に合うようなデイサービスはない」と言いヘルパーの導入も頑として断って、一人で抱え込んでいました。「ケアマネがよく相談にのってくれましてね。デイサービスもまあまあですよ」と笑顔を見せた。参加していた家族、サポーター一同がほっとしました。

 何年もの間家族会でA氏の話を聞き家族やサポーターからA氏が少しでも楽になるための介護の仕方などアドバイスしてきましたが、一向に聞き入れようとしませんでした。「もう何を言ってもA氏は変わらない。変わろうとしない」という諦めの気持ちが他の家族やサポーターの間に出てきました。

「人間って変ろうと思ったときに、変ることができるのだ」ということを今回ほど嬉しく感じたことはありませんでした。次回Aさんの変化についてもう少し尋ねたいと思っています。