今月のひと言

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平成29年1月5日

1月のことば

2016年12月の画像

「メル友」

 明けましておめでとうございます

 お元気で新しい年をお迎えでしょうか。忙しすぎてお正月どころではない。という方もいらっしゃると思いますが、今年も健康に留意されて、あなたの優しさとエネルギーを十分に発揮されることを期待いたしております。

 最近、高齢になってから難聴になった方との出会いが増えてきています。施設に入所して5年になるSさんに呼び止められ「あの、私の話を聴いてください。今日は準備がないから次回にお願いします」と言われました。

 一人暮らしをしていたSさんは、両耳の難聴に加えパーキンソン様の症状があるため施設に入居されました。いつも優しい笑顔の絶えないSさんですが、難聴のため筆談でないと交流ができないこともあって、施設内で他者との交流はほとんどない状態が続いています。スタッフは多忙な仕事のこともあり、特に日常生活にケアの必要がないSさんとは気にかけていても最低の交流になっていました。私も大分前に2度ほど筆談で交流を持ったことがありましたが、最近はお会いするとお互いに笑顔で会釈を交わすのが常になっていました。他の入居者とはよく話し合っているのにSさんには申し訳ない気持ちはありましたが、そのまま日が流れて行っていました。

 お会いする予定の日は午後から外出をされるというので、10時過ぎに訪問しました。Sさんは筆談用の用紙を準備して待っていました。体調のことを伺うと「最近は手の震えがよくなったのよ」と両手を前に出して見せてくれました。なめらかな細い指。最近はあまり耳にしないが“白魚のような指”とはこのような指のことかなと思いました。皮膚がきれいなことを褒めると「皮膚の手入れは欠かさないので病院の先生(医師)にいつも褒められるのよ」と。ほっそりした体型だが顔も手もしっとりとしていた。「昼は寝ないように、手持ちの布で袋作りや家具にかけるものなど作っているので、夜はよく眠れるのよ」と話した。また家具やテーブル、入り口に飾ってあるリースなど毎日少し飾り方を変えて変化を楽しんでいると話した。

 2歳になるという孫の写真を見せて「間もなく子ども夫婦が孫を連れて仕事先の外国から戻るのよ。可愛いでしょうこの子」と嬉しそうにほほ笑みました。
 約20分交流を持ち、おいとまをするときにSさんから「あの、メル友になってください」と言われ、施設長の了承を得てアドレスの交換をしました。
 
 「メル友」という発想に気づかなかった自分に驚いてしまいました。高齢になって病気や障害を受けても、どうしたら自分らしく活き活きとした毎日を送ることができるかということを、Sさんから教えてもらいました。

 その後「この出会いを大切に育てたいと思います」と綺麗なリースの写真が添付されたSさんからのメールが届きました。