今月のひと言

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平成29年5月10日

5月のことば

2017年5月の画像

「認知症の人のケアを考える」

 最近デイサービスや入居施設で通所や入居を断られたという例がある。

 79歳のA氏はレビー小体型認知症と診断されて数年が経過していた。2年前からデイサービスを利用していたが、最近怒りっぽい、大声を上げる、介護への抵抗が強いなどの理由で通所を断られた。高齢の夫人が1人で介護にあたっていたが、どこか利用できるデイサービスはないか、ケアマネと相談したが思うようにいかず相談の電話が入った。夫人とはクラブ活動で一緒だったが、ご主人の状態を聞かされたのは初めてだった。

 「近いうちに娘夫婦が同居してくれることになっているので、それまで頑張ろうと思っているが、興奮は日によって昼夜関係なく起こり24時間家での介護は辛い。なんとか良い方法はないか」という事だった。

 自宅から比較的近いところに認知症治療病院があるので、受診を勧め、場合によっては娘と同居するまでの間入院を考えるよう勧めた。

 2週間後入院となり「ホっとしました」という連絡が入った。娘と毎日面会に行っているが病状は確実に進行しているようだ。という。

 6か月後病院で娘や孫たちに見守られ安らかに旅立った。という知らせがあった。

 77歳のB氏はアルツハイマー型認知症と診断されて14年目になる。在宅介護を続けてきたが家族は様々な行動・心理症状(BPSD)に悩まされてきた。ことに大声を上げることが多かった。2年前に比較的家から近い特養に入居することができて介護にあたっていた夫人はホッとした。

 大声を上げることは入居後も続いていた。食事の介助も必要になったので夫人が毎日面会に行き、食事の介助などを行っていたが、施設側から退去してくれと言われた。「今のところを退去したら、入居できるところはない」と夫人から相談を受けた。

 B氏にも認知症治療病院への入院を勧めた。現在入院中だが、病棟は激しいBPSD の方が多く特に目立つこともないという。

 家族の多くはできるだけ在宅介護を続けたいと願ってデイサービスなどを利用している。A氏もB氏も大声を上げるにはそれなりの理由があるに違いない。体調が悪い、欲求が満たされない、何もかも思い通りにいかない、言葉で訴えることもできない。大声の裏には様々な不安や欲求があるに違いない。

 以前にも書いたことがあると思うが、認知症のデイサービスを、軽度の方のグループと重度の方のグループに分けて行っている施設がある。プログラムによっては、一般のデイサービス利用者と一緒に行動することもあるが、重度のグループは介護者の数を多くするなどの配慮がなされ、個人に合わせた手厚い介護がなされている。諦めない介護である。
また、家族会も定期的に行って交流を深めている。家族、当事者側に沿ったサービスである。こうした施設が少しでも多くなることを願っている。