今月のひと言

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平成29年11月8日

11月のことば

2017年11月の画像

「訪問ケアを受ける立場」

 家族会でしばしば話題に上がるのが、訪問医療・看護・介護についてである。重度の認知症のご主人を在宅で介護しているDさんは、週3回デイサービスを利用しているが、ご主人が留守の間は、家事一般に加えて、面倒な書類の記入や届け出など意外と用事が多く身体も気分も休まらない。と話した。また、デイサービスに行かない日は、往診医やリハビリ、看護・介護関係の人の訪問があり、それも気遣いの一つだという。1日でも長く家で看たいと思うが、いつまで続くか自信がないと話した。

 90歳に近いSさんのご主人はデイサービスを嫌い、在宅介護を続けているが、やはり訪問ケアを受ける煩わしさを話された。

 介護者も高齢なので、訪問者が来るからといっても特別に掃除や片づけなどの気遣いは必要ないという意見も出るが、「いや、そうはいかない」という意見が多い。

 地域包括支援センターのスタッフとの話し合いの場では、一人暮らし、または高齢者同士で暮らしていて、お弁当らしきものを買いに出かける姿を見かけることはあるが、介護保険は受けていないし、近所付き合いもなく、訪問者を絶対に受け入れないという話は度々出る。そのような人に対し、民生委員は夜電灯がついたのを確かめてホッとするという。

 門や玄関でコールをし、お困りのことがあればお手伝いをしたいと話すと「困っていることはない」と言って切ってしまう。ときにはコールに出ないこともあり、異常なことが起きたらと不安になることが度々あるという。

 実際夜電灯がつかない日があり、警察と協力して家の中に入ったところ、意識がもうろうとしていた状態だったため、救急車で運ばれ入院になった。脱水状態で治療の結果回復された。ご本人は退院後、元の家に戻ると言ったが、家の中は何年も掃除されていないため、ごみ屋敷の状態で、湿気が強くカビ臭い状況だったので、家の中をきれいにする間施設を利用するように勧めるとしぶしぶ納得されたという。

 在宅介護を続けるにはそれなりの条件がある。1人では無理である。ことに介護者が高齢者でなくともいつ思いがけない病気や事故に遭遇するかもしれない。在宅介護は複数で連絡を取りながらでなければ続けられない。そのための地域包括支援センターであり、介護保険である。隣近所との付き合い、助け合いも大切であるが、高齢者の中には人の世話になりたくない、介護保険の世話になりたくないと思っている人もいる。民生委員や地域包括支援センターのスタッフが情報を提供しようとしても聞き入れようとしない人もいる。

 また、介護者や本人よって個人差はあるが、他人に訪問されることへの煩わしさが大きなストレスになっている。「気を使う必要はないのよ」と第3者は言えるが、いざ自分がその立場に立った時はどうだろう。理屈では割り切れないものがあると思う。