今月のひと言

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平成30年1月5日

1月のことば

2018年01月の画像

「私の歯はミキサー」

 新年おめでとうございます 

 蜜入りのリンゴ4分の1、バナナ2分の1、小松菜1株、ヨーグルトに蜂蜜、ナッツをミキサーに入れ、電源を入れて、スイッチを回そうとしたが動かない。何回も試みたがビクとも動かない。「たまの休日、美味しいスムージーを楽しもうと思ったのに、フン、がっかり」とミキサーを睨み付けた。

 仕方なくミキサーに入れた材料を深皿に移し「フルーツと野菜のヨーグルトサラダだわ」と諦めてそのまま食べ始めた。今年90歳の大台に乗ろうとするが、歯は噛むのに困らないだけある。

 そういえば最近は比較的柔らかいものを食べる機会が多いような気がする。外食のものにも硬いものはないし、自分で作る料理も硬いものは少ない。テレビの料理番組もお肉を柔らかくする方法など、柔らかいことが最高のような気になってしまう。一方、医学関係の放送では歯のある人は、ある程度硬いものをしっかり噛むことが顎の発達に関係があり、認知症の予防の一つでもある。などといわれている。

 人間はある機能を使わなければ退化してしまうと思い、常にバランスのとれた食事と自分に合った運動など心がけているが、「噛む」ということには意外と無頓着だった。

 爽やかなリンゴの歯触り、ねっとりしたバナナ、小松菜の茎を噛む音、ヨーグルトと蜂蜜、ナッツが口の中で交じりあって思わず「美味しい」と叫んだ。「私の歯はミキサーだわ、口の中でスムージーが出来上がっている。お、お」と感動した。どこにでも運べて掃除も簡単な自分の歯(口腔)を使わない手はないと思った。

 数日後、動かないミキサーを処分しようと思ったが、もう一度スイッチを回したら、あら、不思議、動くではありませんか。そのうち使う時が来ると思いよく洗って片付けることにした。コードを差し込み、本体に水を入れ台に取り付けた途端、ビューンとミキサーが回り、蓋をしていなかったので水が四方に飛び散った。電源がONになっていたのだ。私は顔から胸まで水浸しになった。

 ミキサーに謝った「ごめんなさい。自分の始末が悪かったのに、あなたを睨み付けたり、処分しようと思ったりして許してください」と。ミキサーは綺麗にして戸棚の中にしまった。「お世話になるときが来たらよろしく」と。当分は「私のミキサー」を使うことにした。