今月のひと言

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平成30年2月13日

2月のことば

2018年01月の画像

「一人遊び探し」

 「100歳まであと10年きりないのよ、忙しいね」と同い年の友人Aさんから電話がかかってきた。40数年来の友人であるAさんとは同じ職場で、仕事への考え方も似ていたことから、定年後も親しくしている。
街中でふとすれ違ったとき、大きな荷物を持っているAさんに「どこへ行くの?」と尋ねると「パソコン教室よ」と返ってきた。いくつものお稽古事に加え、同年代の人を集めてミニカフェなども行っている。行動派のAさんである。

 昨今、元気な高齢者が多く、「健康で長生き」というスローガンのもと、高齢者が社会でさまざまな活躍をしている姿が度々報道される。男女を問わず活き活きとしている。一方何らかの理由で体力が衰え余儀なく在宅や施設で介護を受けている高齢者も多い。その中には「退屈だね」と言う方もいる。また「何して過ごしているの?とよく聞かれるのよ、答えようがなくてね。しいて言えば昼も夜も寝て過ごしていますわ」などと冷めた言葉が戻ってくることもある。
身体に病気や障害のある入居中の方も集団で行う活動や体操など、ご自分に合わせた方法で参加されているが、時間を持て余している方が多い。

 毎日外に出かけボランティア・仕事・趣味活動・遊びなどに明け暮れている自分にも、いずれそのような時が来ることを想定して、「一人遊び探し」を以前から考えているが、やりたいことが思いつかない。
「①楽しくて、②生産的で、③他者から喜ばれるもの?」③は難しいと思う。

 私の手元に以前友人から戴いた軍手で作ったネズミがある。マスコットなどに興味を持たない性分だが、なぜかこのネズミが好きで「チュウちゃん」と呼んで身近に置いている。幼い孫が「チュウちゃん」の胴に入っているストッキングを抜いて笑い転げていると「チュウちゃんをいじめないで」と注意する。

 「私、編み物始めるの、いちばんやさしいセーターの材料を注文して来たわ」と数人の友人の前で話したら、「え?無理、無理」という反応が戻ってきた。その中の一人が「分からないところがあったら教えてあげるわ」と言ってくれた。出来上がったセーターを着て見せたら、友人たちはどのような反応を示すかな?と思うと笑いが込み上げてくる。

 セーターが出来上がるか自信はないが、それをきっかけにカラフルなストールやレッグウォーマーなどを編んで誰かにプレゼントできたら最高という妄想を抱いている。「今どき安くて素敵なものが手に入るから、もらう方は迷惑がるわよ」と言う友人もいるが、いやそんなことない、誰か使ってくれる人がいる「チュウちゃん」のようにと思っている。何よりも編み物を始めるのは、外歩きができなくなった時の「一人遊び探し」の一つである。